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修復が困難なピアノの例

修復が困難なピアノの例をご紹介します。

PERZINA(ペルツィーナ)

GP 新品(中国製)

症状は中音域の唸りと雑音。ダンパーの止音が悪い、 タッチが重い。ペダルも重い。何回も購入店から調律師がきてもなおらないとのことです。
修理不可により販売店へ返品

Perzina ペルツィーナPerzina ペルツィーナPerzina ペルツィーナPerzina ペルツィーナ

内部のアクション、ダンパーを検証。なんと3本の弦の中央にハンマーヘッドが当たっていない。


ヘッドの位置がずれている。1本の弦が止音されていない。調律師はいったいどういう調律をしたのだろうか。

鍵盤の深さも揃っていない。アクション、鍵盤整調をまったくやっていない。

鍵盤蓋を外してみたら、中音上部(隠れていて見えない箇所)に穴が開いている。

「えっ、なんで」と本体の鍵の下を見ると、鍵を止めているビスが鍵盤蓋の真下に突き抜けていた。

これでは蓋に傷がつくのでやむなく穴をあけたのだと判明。

なんて手抜きなピアノなんだろう。

ペダル調整もいっぱいで軽く踏むことができない。

ピアノ下に潜ってみると化粧板がはがれているところが数か所見受けられる。 だんだん剥がれていくと思われる。

すべての調整をやり直すと大きな出費になるので、お客様から販売店へクレームを言ってもらい、 返品されたほうが良いとアドバイス。

販売店もすぐに非を認め、全額返金になりました。もちろん解約手数料などはなしで。

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PERZINA(ペルツィーナ)

UP 2007年製(中国製)

納品されてから1年も経過していないピアノです。約70万円以上したとのことです。

症状は弱音装置が効かない、雑音がする、タッチを軽くして欲しい、屋根の左側が上向きに反ってきだした、音質が硬いので柔らかな音にして欲しいとのことです。

修理不可により販売店へ返品

PERZINA(ペルツィーナ)のアクション。 PERZINA(ペルツィーナ)のペダル部と木製の天秤棒。 PERZINA(ペルツィーナ)の弱音装置の蝶ネジ外れ。

内部のアクション、ダンパーを見て驚いたのが、このピアノは高さが123cmのヤマハで1型という高さ121cmのクラスのピアノなのですが、明らかに

アクション、ダンパーがスピネット(小型)のものであること。


特にダンパーフェルト同士の隙間がぶつかりそうに小型用で余裕がないです。

鍵盤パイロットも短いスピネット用の真鍮です。

大きなピアノになるとこのパイロットの長さが長くタッチ感が良くなります。

短いとタッチは重くなります。タッチを軽くするには限界があります。

弱音装置は木製の天秤棒で手でゆすると、かなり揺れます。

弱音装置右側の天秤棒に垂直に突き上げ棒が刺さっています。

ここは上下運動をする場所なので蝶ネジで長さの調節をすると力が加わり蝶ネジが緩み脱落してしまします。

長さを調整するネジなので接着することはできません。

鉄製に交換するほかないでしょう。


天屋根は明らかに右のほうが浮いて反っています。

天屋根と本体を長い真鍮のヒンジを小さな木ネジをたくさん使用し、止めています。鍵盤蓋も同じです。

屋根が反っている原因として設置環境が過乾燥(床暖房等)になっていて木材の水分含有量が少なくなり反ってしまう場合が多いです。

しかしこのお客様の設置環境は床暖房もなく風通しの良い大きなリビングですので過乾燥は考えられません。

一応、ロング・ヒンジの木ネジを調べてみました。ドライバーでいくら締めても締まらない。

すべて締まらない。

バカネジになってしまっているのです。

新品なのにそんなバカなと思い、鍵盤蓋の木ネジもチェックしたら、やはり締まらない。木の素材が柔らかすぎるのでしょう。


太い木ネジに交換しても締まらないので瞬間接着剤と硬化剤で試すか、硬い木を埋めて埋め木をするかでしょう。


雑音はダンパーの止りが悪かったので調整で治りました。

お客様の話ですと、このピアノはドイツ製のハンマー、スプルースの響板であると購入店の店員が言っていたそうです。

しかしドイツのハンマーであれば必ず「RENNNER」「ABEL」等の刻印があるはずなのに、刻印がありません。


響板は10cmぐらいの幅の木が段々と重なりあって中央部はRをつけ駒からの弦振動を最大限に引き出す役目です。

響板を指で触ると凹凸が分かりざらざらしています。

安価なものは1枚板の合板に木目のプリントをしています。

1枚板の響板は柔らかさのある音質は得られません。

実証すれば分かります。

このピアノの響板は1枚板で左右でビス止めされていました。

当然柔らかな音色は望めません。

天屋根は反っているので天屋根交換をしたいのですが、どこにパーツを取り寄せてもらうことができるのか問い合わせ中です。


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PETROF(ペトロフ)

Ⅳ チッペンデールGP 2010年製(チェコ製)新品

納品され、納品調整・調律をした直後のピアノです。

定価はなんと、約440万円!だそうです。


次高音~高音域の雑音、本体の傷等を診て欲しいとのご依頼でお伺いいたしました。


修理不可により販売店へ返品

PETROF(ペトロフ)前景) PETROF(ペトロフ)の屋根。 PETROF(ペトロフ)の内部。

外観はチッペンデールの美しいピアノです。奥行き172cmの中型ピアノですが、脚にはキャスターが付いていません。

ヤマハのチッペンもキャスターが付いていませんから、これはデザイン性の問題なのか?

天屋根にある突き上げ棒を止めているロック機構は良いのですが、天屋根を閉めると、ロック機構にうまくはまりません。

よく天屋根を見るとなんだか平行ではないと気づき、水平器で測定すると、あきらかに屋根が反っていました。

それに伴い、天屋根の奥の部分と手前の部分をジョイントしている長いヒンジの小さな木ネジを全て右に回してみました。なんとすべてネジが効きません。


これでは将来、天屋根が落ちてしまいます。

他の木ネジも回して見ましたが、緩いのが多かったですね。

譜面台を引き出そうとして驚きました。

なんと譜面台が本体に当たっていて引き出すには譜面台中央を上に手で押し上げてやっと引き出せました。


すべてにおいて外装に反りがあるようです。これは直すことは不可能です。


音質についてですが、低音域はこのクラスではかなり鳴り重低音が響きます。

しかしながら中音域~だんだんと音量が不足して、次高音~高音部のシンシンとなる雑音が聞こえます


雑音はフォアストリングスの倍音が鳴って振動しているのでしょう。

調律にきた方が赤いブッシング・クロスをたくさん弦間に挟みこんでいました。

しかし、新品にこういうことをするのは見栄えも悪いし、一時しのぎでしかありません。


打弦点もバラバラで調整されていません。

鍵盤深さもばらつきが多いです。


このピアノは出荷調整をされていないピアノだと断言できます。

外装に反りがあるのは長期在庫品なのか、どの新品もそうなのかは判りません。


これだけ高額のピアノなのになぜキチンとした調整をされずに納品したのか。信じがたい経験でした。


総合判断の結果、外装の反り、木ネジのバカネジ、雑音について販売店にクレームを出し、返品するということになりました。


友人の輸入バイヤーから聞いたのですが、世界中でヤマハより高い値段で販売しているペトロフは日本だけだ・・。だそう。

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